認定を受ける要件を満たしていても、認定を受けれるかどうかは行政庁(所轄の電力安全課など)の裁量が大きいのが実状です。

そのため、提出書類の中でも実務経歴書をいかにポイントを押さえて書くかが重要となってきます。
ではどのようなポイントがあるのか見ていきましょう。

一例として維持運用の場合の職務内容の書き方についてポイントをチェックしていきます。

1.まず概要を書いていきます。

①業務開始年月日の記載
②どのような立場で
③誰の指導の下で
④何に基づいて(例:保安規定、社内規定に基づいて)
⑤どのような場所で(例:発電所、変電所)
⑥どのような電気工作物について
⑦どのような業務に従事したか

ここでは各事務所ごとに業務の実施方法が違ってくるので、事業全体の電気設備等の概要保守管理形態についても記載をします。
また委託管理契約による場合でもその旨を記載する必要があります。

電気工作物の概要については、実際に関わった電気工作物(第3種の申請の場合は電圧500V以上)を記載する必要があります。

2.次に業務の実施方法について書いていきます。

①所属する課や係の勤務体系を記載します。
(例:日勤や交代制などの勤務時間を記載とそれぞれの担当業務内容や人数)
②所属する課や係でどのポジションで仕事に従事していたか

組織図等を参考に添付して、所属している課や係りの業務分掌とその人数や日勤や交替勤務なども記載します。

3.次に維持・運用に関する日常業務について書いていきます。
(1)運転・操作業務
①どのような頻度で、
②どのような目的で(例:力率調整)
③何を(例:遮断機、コンデンサ)
④どのような方法(遠制、直接)で操作したのかについて記載します。

(2)監視業務
①どのような頻度で、
②どこで(例:監視室)
③どのような目的で
④どのような方法で(例:電圧計、電流系などの計測器)
⑤何を監視し(例:受電電圧、電力量)
⑥その結果をどのように処理したか(例:日誌に記入して課長に報告)

(3)巡視点検業務
①どのような頻度で
※交代制で行っている場合は巡視点検体制や自分が実施した頻度を記載
②どのような目的で
③どのような方法で
④どの様な電気工作物について(例:断路器、遮断機)
⑤どのような点検項目について(例:たるみ、変形、変色)
⑥何に記録し
⑦その結果をどのように処理したか

点検頻度が少ない場合には日常どのように電気工作物の保守管理に携わっているか判断できるように記載します。

4.次に維持・運用に関する定期業務について書いていきます。

月次、年次点検業務や試験測定業務などの定期的業務については、まずら実施したのか請負業者に委託したのかを明かにして、その時に自らは何をしたのかを記載します。
(1)月次点検業務又は年次点検業務
①どのような頻度で
※交替制で行ってる場合は本人の実施回数も記載
②どのような方法で
③どのような立場で
④どの電気工作物について
⑤どのような点検項目について
⑥何に記録し
⑦その結果をどのように処理したか

(2)試験測定業務
①どのような頻度で
※交替制で行ってる場合は本人の実施回数も記載
②どのような立場で
③どの電気工作物について
④どのような試験項目について
⑤何に記録し
⑥その結果をどのように処理したか

5.維持運用に関する不定期業務
機器の事故処理、機器の老朽化、事故処理に伴う改造、取替え工事、台風、年末年始などの特別な巡視の業務についてあれば書きます。
(1)改造、取替工事又は事故・故障対応業務
(2)特別巡視業務

以上となります。
また役職が変更になった場合は、その役職に対応する期間職務の内容電気工作物の概要を記載する必要があります。

このように、電気主任技術者の免状を受けるための実務経歴書は詳しくチェックされます
もし実際の書類作成などでご不安な点があれば、サポートさせて頂きますのでその際はご相談ください